マレーシアで車に乗り始めると、最初に少し戸惑いやすいのがガソリンの種類です。
日本では「レギュラー」「ハイオク」と呼ぶのが一般的ですが、マレーシアではRON95とRON97という表示がよく使われます。
私もマレーシアに住み始めたころ、「RONって何だろう」「95と97のどちらを入れればいいのだろう」と迷いました。日本の感覚で考えると分かりにくいのですが、仕組みがわかると意外とシンプルです。
この記事では、マレーシアのガソリン事情について、できるだけやさしく整理していきます。
特に、
- RON95とRON97の違い
- 日本のレギュラー・ハイオクとの違い
- どんな車にどちらを入れるべきか
- マレーシアで車を選ぶときに気をつけたいこと
このあたりを中心にお話しします。
RONとは何か
まず、RONとはResearch Octane Numberの略です。
日本語では「オクタン価」と考えるとわかりやすいです。これは、ガソリンがエンジンの中で異常燃焼しにくいかどうかを表す数字です。数字が高いほど、ノッキングと呼ばれる不自然な燃え方が起こりにくくなります。
つまり、RON95よりRON97のほうがオクタン価が高いということです。
だからといって、RON97がすべての車にとって絶対に良い、というわけではありません。大事なのは、その車がどの燃料を前提に設計されているかです。
マレーシアのRON95とRON97の違い
マレーシアのガソリンスタンドでは、主にRON95とRON97が販売されています。RON97のほうがオクタン価が高く、一般的には価格も高めです。いっぽう、RON95はより一般向けの燃料として広く使われています。
2025年9月末からは、マレーシアのRON95制度が大きく変わりました。財務省の発表によると、RON95は「補助あり価格」と「補助なし価格」の二層構造になっていて、対象となるマレーシア国民はBUDI95という制度を通じてRON95をRM1.99/Lで購入できます。一方で、補助対象外のRON95は市場連動で価格が動きます。 (外国人は補助対象外です)
そして、2026年4月2日から4月8日までのマレーシア財務省の発表では、価格は次のようになっています。
RON97はRM4.95/L、補助なしRON95はRM3.87/L、BUDI95の補助価格はRM1.99/Lです。
この数字を見ると、現在のマレーシアでは「誰が買うか」によってRON95の実際の負担額がかなり変わることがわかります。
マレーシア国民でない人は補助なしの価格で購入する必要があります。
日本のレギュラー・ハイオクとの違い
日本では、JIS規格でレギュラーはオクタン価89以上、ハイオクは96以上とされています。JAFやENEOSも同様の基準を案内しています。
この基準だけを見ると、かなり大ざっぱには、
- マレーシアのRON95 → 日本のレギュラーより高い数字
- マレーシアのRON97 → 日本のハイオクに近い位置づけ
と考えたくなります。
ただし、ここで注意したいのは、国が違うと燃料規格や添加剤、流通の前提が同じではないということです。ですので、「マレーシアのRON95は日本のハイオクと同じです」と単純に言い切るのは微妙です。比較の目安にはなりますが、最終的には車のメーカー指定を優先するのがいいかもしれません。
実際、日本でもハイオク指定車にレギュラーを入れてもすぐ壊れるとは限りませんが、本来の性能を十分に引き出せないことがあると案内されています。これはマレーシアでも同じように考えられると思います。
どちらを入れればいいのか
結論からいうと、車の取扱説明書や給油口の表示どおりに入れるのがいちばん大事です。
一般的な大衆車・実用車
多くの一般的な車はRON95で問題なく走れるように作られています。
こうした車で日常使いをするなら、無理にRON97を入れる必要はないことが多いです。
ターボ車・高性能車・高級車
車種によっては、RON97相当の高いオクタン価を前提に設計されている場合があります。
こういう車では、RON97を入れたほうが本来の加速性能や静かさ、なめらかさを感じやすいことがあります。逆に、指定より低い燃料を入れると、制御で安全側に寄るため、力が出にくく感じる場合があります。
迷ったとき
迷ったら、次の順番で確認するのがおすすめです。
- 給油口のラベルを見る
- 取扱説明書を見る
- 正規ディーラーまたは整備工場に確認する
「高いほうを入れておけば安心」と考えたくなりますが、必要のない車に高価な燃料を入れ続けても、支出だけ増えて効果が体感しにくいこともあります。
マレーシアではガソリン代が車選びにかなり影響します
マレーシアは日本より車社会の色が強い地域が多いです。都市部でも、通勤、買い物、病院、食事など、車を使う頻度が高くなりやすいです。そうすると、ガソリン代の差が毎月じわじわ効いてきます。
特に2025年後半以降は、RON95に補助がある人とない人で、燃料コストの感じ方がかなり変わります。
たとえば、補助価格のRON95がRM1.99/Lで、同時期の補助なしRON95がRM3.87/Lだとすると、1リットルあたりRM1.88の差があります。月に100リットル使えば、それだけでRM188の差になります。
さらに、RON97は2026年4月2日から4月8日の価格でRM4.95/Lです。RON95補助価格と比べると差はかなり大きいです。日常的によく走る人ほど、この差は無視しにくくなります。
つまり、マレーシアで車を選ぶときは、車両価格だけではなく、
- その車がRON95でよいのか
- RON97前提なのか
- 燃費はどれくらいか
- 自分の月間走行距離はどのくらいか
このあたりを合わせて考えるといいかもしれません。
高級車・大型SUVは燃料代のインパクトが大きいです
マレーシアではSUV人気が高いですが、大きくて重い車はどうしても燃費が不利になりやすいです。
そこに加えて、もしRON97指定またはRON97を入れたくなるタイプの車だと、燃料代の負担はかなり増えます。
たとえば、同じ距離を走るとしても、
- 燃費が良くてRON95で走れる車
- 燃費が重くてRON97を使う車
この2台では、年間コストにかなり差が出ます。
車好きとしては性能や乗り味も大事ですが、マレーシアでは移動距離が意外と伸びやすいので、燃料の種類と燃費の組み合わせは重要です。
「RON97を入れると燃費が良くなる」は本当か
これはよく話題になります。
結論としては、車によります。
高オクタン燃料を前提に制御される車なら、RON97を入れたほうがエンジンの調子が整い、結果として走りやすくなることがあります。場合によっては燃費が少し改善することもあります。
ただし、RON95で十分な設計の車では、RON97に変えたからといって、価格差を取り返せるほど燃費が良くなるとは限りません。日本でも、指定燃料を使うことが基本であり、上位燃料を入れれば必ず得になるわけではないと考えるのが自然です。
ですので、「なんとなく高い燃料のほうが良さそう」で選ぶより、まずメーカー指定を見るのがいいです。
マレーシアの補助制度は今後も要チェックです
マレーシアの燃料価格は、以前よりも政策の影響を強く受けるようになっています。
財務省は、RON95とディーゼルの補助をより的確に届けるため、BUDI MADANIの仕組みを導入し、2026年にはRON95補助の不正利用に対してMyKadのブロックなどの対応方針も示しています。
また、2025年の予算関連資料では、RON95の補助合理化が財政改革の一部として位置づけられており、対象を絞った支援に移る流れが示されています。
つまり、今後も「今年はどうなっているか」を確認することが大切です。
マレーシアのガソリン事情は、昔の感覚のまま見るとズレやすくなっています。
これからマレーシアで車を買うならどう考えるべきか
これからマレーシアで車を買うなら、このように考えてみるのはどうでしょうか。
街乗り中心なら
- RON95対応
- 燃費が良い
- 整備しやすい
- タイヤ代や保険料も高すぎない
こういう車は、毎日の使いやすさで満足度が高いです。
長距離移動や高速道路が多いなら
- エンジン性能
- 走行安定性
- シートの快適さ
- 実燃費
このあたりも重要になります。
ただし、RON97前提の車を選ぶなら、購入前に燃料コストをざっくり計算しておくと安心です。
車好きで性能重視なら
それはもちろん楽しい選び方です。
ただ、マレーシアでは「車両価格+ガソリン代+保険+整備費」で見たほうが現実的です。
特に大型SUVや高級車は、燃料の種類と燃費が家計に与える影響が思った以上に大きいです。
まとめ
マレーシアのガソリン事情をシンプルにまとめると、こうなります。
- RONはオクタン価のことです
- RON97のほうがRON95より高オクタンです
- ただし、高い燃料が必ずしも全ての車に必要なわけではありません
- 大切なのはメーカー指定の燃料を使うことです
さらに今のマレーシアでは、
- RON95に補助制度がある
- 対象者はBUDI95でRM1.99/L
- 補助なし価格やRON97は市場連動で大きく動くことがある という点が、とても重要です。2026年4月2日から4月8日の価格では、RON97がRM4.95/L、補助なしRON95がRM3.87/L、BUDI95のRON95がRM1.99/Lでした。
だからこそ、マレーシアでの車選びは、見た目やブランドだけでなく、どの燃料を使う車なのかまで含めて考えるのがおすすめです。
ここを押さえるだけで、日々の満足度も家計の安心感もかなり変わってきます。

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