アメリカがマレーシアに対して関税25%を決定した理由と背景

US_tariff マレーシア生活
アメリカのマレーシアに対する関税政策

2025年の春から夏にかけて、アメリカは世界中の多くの国に対して新たな関税政策を導入しました。その中でマレーシアも対象となり、最終的に25%の関税が課されることになりました。この動きがなぜ起きたのか、どのように決まったのかを調べてみました。

そもそも「関税」とは?

関税とは、外国からの品物を輸入するときにかかる税金のことです。たとえばアメリカにマレーシアからテレビや半導体などの製品が送られてきた場合、その価格に対して追加の料金を払わなければいけません。このお金が「関税」です。

国は関税を使って、自国の産業を守ったり、貿易のバランスをとったりします。

アメリカが始めた「リベレーション・デー関税」

2025年4月、アメリカは「Liberation Day(リベレーション・デー)」という名前の新しい関税制度を発表しました。

この制度は、次のような形でした:

  • すべての輸入品に一律10%の関税をかける
  • 加えて、貿易赤字の大きい国に対してはさらに上乗せする「逆関税(リバース・タリフ)」を導入する

この「逆関税」の対象には中国、ベトナム、マレーシア、韓国、日本などアジアの国々が含まれていました。


マレーシアへの関税:最初は24%、その後25%に

マレーシアは貿易赤字の大きい国の1つとして、逆関税の対象になりました。当初発表されたのは24%の逆関税でした。つまり、アメリカに輸出されたマレーシア製品には、合計で10%(基本関税)+24%(逆関税)=34%の関税がかかる見込みでした。

しかし、世界中の企業からの反発や物価上昇の懸念などがあり、アメリカ政府は一時的に逆関税の実施を90日間停止する措置をとりました。この期間中は、10%の基本関税のみが課されていました。

その後、2025年7月にアメリカ政府は最終決定を下し、マレーシアに対して15%の逆関税を課すと発表しました。これにより、マレーシアからの輸入品には合計25%の関税が適用されることになりました。


なぜアメリカはこんなに高い関税をかけるの?

アメリカがこのような政策をとった理由は、主に次の3つです:

  1. 貿易赤字の是正  アメリカはマレーシアとの貿易で大きな赤字を抱えており、それを減らしたいという意図があります。
  2. 国内産業の保護  マレーシアから安く輸入される製品がアメリカ国内の企業に悪影響を与えているという指摘があり、それを防ぎたい考えです。
  3. 政治的な交渉カード  関税は時に、交渉の道具として使われます。「関税を下げたければアメリカの条件を受け入れて」という圧力をかけるためです。

マレーシアへの影響は?

この関税によって、マレーシアの輸出企業は厳しい状況に置かれる可能性があります。アメリカ市場に輸出するには、価格を下げて関税分を吸収するか、他の国に販売先を切り替える必要が出てくるかもしれません。

特に、半導体や電子部品、家具などをアメリカに多く輸出しているマレーシア企業にとっては大きな打撃になると予想されています。


一部の製品には例外も

ただし、すべての製品が一律に25%の関税を受けるわけではありません。アメリカ政府は一部の重要な製品(たとえば軍事や医療関連の部品など)については、例外措置をとる可能性があるとも発表しています。

マレーシア政府や企業団体は、このような製品の対象拡大を求めてアメリカと交渉を続けています。


日本や他の国と比べてどうなの?

同じようにアジアからアメリカに多く輸出している国々、たとえば日本は15%韓国は20%ベトナムは30%中国は35%などとされています。

マレーシアの25%という数字は、これらの国と比べると中間的な位置です。ただし、製品の種類や貿易量によって実際の影響は大きく異なります。


今後どうなるの?

アメリカの関税政策は、政権の方針によって変わる可能性があります。たとえば2026年の大統領選挙の結果によっては、関税の引き下げや撤廃もありえるかもしれません。

マレーシアとしては、他の貿易相手国との関係を強化したり、アメリカ政府と交渉したりすることで影響をやわらげる必要がありそうです。


アメリカ関税政策のマレーシアの影響

  • アメリカは2025年に新たな関税制度「リベレーション・デー関税」を導入しました
  • マレーシアには最初24%、最終的に25%の関税が課されることに決定しました
  • 一時的な停止措置を経て、2025年8月から本格的に適用が始まりました
  • マレーシア経済への影響は大きく、特に輸出企業は対策を迫られています
  • 今後の政治や交渉の動きによって関税が変わる可能性もあります

以上が、アメリカがマレーシアに対して課した25%の関税についての全体像です。難しい国際経済の話ではありますが、今回のような政策は日常の生活にもじわじわと影響を与える可能性があります。ニュースや経済の動きに少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです。

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