【2025年最新】マレーシアのガソリン補助金が変わります|外国人と富裕層は対象外に

malaysia petrol subsidy マレーシア生活
ガソリン補助金の変更

マレーシアでは、ガソリン価格が日本や他の国と比べて安く感じられることがあります。
これは、政府が「燃料補助金(サブシディ、subsidy)」という形で国民の生活を支えてきたからです。しかし、2025年からこの制度が大きく変わる予定です。

今までは、マレーシアに住んでいる人なら誰でも補助を受けられましたが、今後は「本当に支援が必要な人」に絞る方針に変わっていきます。特に、「外国人」と「高収入の人」は補助の対象から外れることになります。

この記事では、マレーシア政府がなぜこの制度を見直すのか、どんなふうに変わるのか、旅行者や在住外国人にどんな影響があるのかを、記事にしてみました。

マレーシアのガソリン補助金とは?

マレーシアでは、政府がガソリン価格を一部負担しています。たとえば、RON95という種類のレギュラーガソリン(他にRON97というようなオクタン価が高いものもあり、これは補助金はありません)の本来の価格が1リットルあたり3リンギットだったとしても、実際の販売価格は2.05リンギットに抑えられています。この差額を補助金として政府が負担しているのです。

この補助金は、「サブシディ」と呼ばれ、食料品、電気代、教育などにも使われていますが、中でもガソリンに対する補助は国民生活に深く関わっています。


どうして制度が変わるの?

財政への負担が大きい

マレーシア政府が発表した資料によると、燃料補助金にかかる年間の予算は、2022年には300億リンギット(約9兆円)を超えました。これは国家予算の中でもかなり大きな割合を占めています。

さらに、世界の原油価格が上がったり、リンギットの価値が下がったりすると、政府の負担も増えます。このままの仕組みでは長く続けるのが難しいと判断されました。

支援のバランスが悪い

今の制度では、収入の多い人や観光客も補助金の恩恵を受けています。たとえば、高級車を持っているお金持ちも、外国人観光客も、安いガソリンを使える状態でした。

「本当に助けが必要な人たち(低所得層)」に補助金が十分に届いていないという問題がありました。そこで政府は、必要な人だけにしっかり支援を届ける仕組みに変えようとしています。

政府の改革方針の一つ

アンワル首相の政府は、「経済改革(マダニ経済)」を進めています。燃料補助金の見直しもその一環で、「公平さ」や「効率」を重視した政策を目指しています。


新しい制度では何が変わるのか?

2025年に予定されている変更点は、次のようになります。

内容現行制度変更後(2025年予定)
対象国民全体、外国人も利用可所得の低いマレーシア市民のみ
除外される人なし外国人、高所得者(T20)
管理方法誰でも購入可MyKad(マレーシアのICカード)などで管理
対象燃料RON95、軽油など同様だが購入制限の可能性あり

※「T20」とは、上位20%の高所得世帯を意味します。逆に「B40」は下位40%の所得層、「M40」は中間層です。

このように、「全国民に一律」という制度から、「必要な人だけに限定」される制度に切り替わります。


どのように管理するのか?

政府は、「デジタル方式」で補助を管理する仕組みを導入する予定です。マレーシアのICカード「MyKad」や、専用アプリ「MySubsidi」を使って、誰が補助対象かを確認する仕組みを検討しています。

たとえば、ガソリンスタンドで給油するときにMyKadを提示すると、補助金の対象かどうかをその場で判定できるようになります。これにより、管理がより厳密になり、不正利用も防げるようになります。


外国人や旅行者への影響は?

今まで、外国人でもRON95を安く使うことができましたが、2025年以降は市場価格での購入が必要になる可能性が高いです。具体的には、RON95が現在の2.05リンギットから、3.00〜3.50リンギットに上がると見られています。

旅行者の場合

・レンタカーの利用コストが上がる

・タクシーやGrabの料金も上がる可能性あり

・長距離移動の計画に影響が出るかも

外国人労働者や長期滞在者の場合

・日常生活の交通費が増加

・会社の移動費支給など、待遇の見直しが必要なケースもありそうです


一般市民の反応は?

SNSや報道を通じて見ると、「必要な改革だ」と支持する声もあれば、「生活費が上がってしまう」と心配する声もあります。ただし、政府は「低所得者にはしっかりと補助が届くようにする」と約束しており、慎重に段階的な導入を予定しています。


今後の注目ポイント

今後、以下のような点に注目が集まっています。

  1. 対象となる所得基準がどこに設定されるか
  2. MyKadやMySubsidiアプリが全国でどれくらいスムーズに使えるのか
  3. 実際に価格がどこまで変わるのか
  4. 輸送業、配送業、物流業への影響と政府の対応
  5. 都市部と地方での反応の差

まとめ

マレーシアの燃料補助金制度は、これまで「全国民に同じように」提供されていましたが、2025年からは「支援が必要な人だけに限定」される形に変わります。

外国人や富裕層は対象外となり、ガソリン価格が上がる可能性がありますが、それにより政府は財政の健全化と支援の公平性を進めようとしています。

制度が本格的にスタートするまでには、まだいくつかの準備や説明が行われる見込みです。旅行者や長期滞在を予定している方は、最新情報をチェックしながら、影響を受ける部分に備えましょう。

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