マレーシアに住んでいる方や旅行で訪れる方にとって、9月16日は特別な意味を持つ日です。それが「Malaysia Day(マレーシアデイ、マレーシア語でHari Malaysia)」です。日本ではあまり知られていませんが、マレーシア人にとっては自分たちの国が誕生したことを記念する大切な祝日です。この記事では、Malaysia Dayの歴史や背景、独立記念日との違い、現地での過ごし方についてご紹介します。
Malaysia Dayとは?
Malaysia Dayは、1963年9月16日にマレーシアという国が誕生したことを記念する祝日です。この日、マラヤ連邦(現在のマレーシア半島部分)にサバ州、サラワク州、そして当時イギリス統治下にあったシンガポールが加わり、新しい国「マレーシア」が成立しました。シンガポールはその後1965年に分離独立しましたが、この日がマレーシア誕生の節目であることに変わりはありません。
National Day(独立記念日、Hari Merdeka)との違い
マレーシアにはもう一つ大きな祝日があります。それが「National Day(独立記念日、通称Merdeka Day)」です。これは1957年8月31日に、当時のマラヤ連邦がイギリスから独立した日を記念しています。
- 8月31日:独立記念日(Merdeka Day) 1957年にマラヤ連邦がイギリスから独立した日
- 9月16日:マレーシアデイ 1963年にマレーシアという国が正式に誕生した日
つまり、8月31日は「独立」、9月16日は「統合による建国」を意味しているのです。どちらも国の歴史に欠かせない日であり、両方祝日として祝われています。
祝日の過ごし方
Malaysia Dayは全国的に祝日となり、学校や役所、企業の多くがお休みになります。街のあちこちでは国旗「Jalur Gemilang(ジャルル・グミラン)」が掲げられ、テレビやラジオでは特別番組が放送されます。
サバ・サラワクでの盛大なお祝い
特にサバ州とサラワク州では、この日が自分たちがマレーシアに加わった日という意味を持つため、盛大に祝われます。記念式典やパレード、花火大会、コンサートが行われ、多くの人々が参加します。
首都クアラルンプールでのイベント
クアラルンプールでも特別なセレモニーが行われることがあり、政治家によるスピーチや文化イベント、花火などでにぎわいます。大型ショッピングモールではセールが行われることも多く、地元の人々にとっては楽しみの一つです。
多民族国家としての意味
マレーシアはマレー系、中華系、インド系、先住民族など多様な民族が共に暮らす国です。Malaysia Dayは、そうした多民族が一つの国として共に歩むことを再確認する日でもあります。
サバ・サラワクに住む人々にとっては、マレーシアの一員であることを実感する象徴的な日です。政府もこの日を通して「団結」「調和」「繁栄」といったテーマを発信し、国民の一体感を高めようとしています。
観光客にとってのMalaysia Day
旅行でマレーシアを訪れる方にとっても、Malaysia Dayは知っておきたい祝日です。
旅行時の注意点
- 一部の役所や銀行は休みになります
- ショッピングモールや飲食店は通常営業のところも多いですが、混雑することがあります
- 公共交通機関が一部変更になる場合もあります
旅行者におすすめの体験
もしMalaysia Dayにマレーシアを訪れるなら、祝賀イベントやパレードに参加してみるのも良いでしょう。街全体が祝祭ムードに包まれ、普段は体験できない文化的な一面を知ることができます。
Malaysia Dayが祝日になったのはいつ?
実は、Malaysia Dayが全国的な祝日になったのは比較的最近のことです。2010年にナジブ・ラザク首相が正式に祝日として制定し、それ以降全国で祝われるようになりました。それまでは一部の地域でしか行事が行われていませんでしたが、今では国全体での大切な日として認知されています。
Malaysia Dayは、1963年9月16日にマレーシアが誕生したことを祝う日です。独立記念日(8月31日)とは異なり、「統合による建国」を記念する特別な意味を持っています。サバやサラワクでは特に盛大に祝われ、マレーシア全体で国の一体感を再確認する日でもあります。旅行者にとっても現地文化を肌で感じられる絶好の機会となるでしょう。
マレーシアに住む方も、旅行で訪れる方も、この祝日の背景を知ることで、より深くマレーシアという国を理解できるはずです。
マレーシアのみなさま、おめでとうございます!
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