今回はマレーシアの国全体の基本情報のうち、一般的な情報について少しまとめてみました。
国土面積
マレーシアの国土面積は 約330,803平方キロメートル です。この面積には、マレー半島に位置する西マレーシアと、ボルネオ島に位置する東マレーシアの両方が含まれます。
地域別の面積
• 西マレーシア(半島部): 約131,598平方キロメートル
• 東マレーシア(ボルネオ島部:サバ州とサラワク州): 約199,305平方キロメートル
マレーシアは広大な熱帯雨林を有し、その生物多様性は世界でもトップクラスとされています。また、国土の一部は海に囲まれ、多くの美しい島々が点在しています。
マレーシアの首都
マレーシアの首都は クアラルンプール(Kuala Lumpur) です。
クアラルンプールの基本情報
• 位置: マレー半島の西部に位置しています。
• 特徴: マレーシアの経済、文化、観光の中心地であり、ペトロナスツインタワーやバトゥ洞窟などの観光名所があります。
• 行政区分: クアラルンプールは連邦直轄領に指定されており、マレーシア政府直轄の都市です。
また、行政機能の一部はプトラジャヤ(Putrajaya) に移されており、ここはマレーシアの行政首都とされています。一方で、クアラルンプールは公式な首都であり、国際的な知名度も高い都市です。
マレーシアの人口
マレーシアの人口は、2023年の時点で推計約3,340万人(男性は約1,750万人、女性は約1,590万人)です。このうち外国人が約300万人とされています。
2019年では約3,252万人だったので、人口は増加傾向にあります。
州ごとに見ると、セランゴール州という地域が一番人口が多く、約720万人が住んでいて、これは国全体の約22%に当たります。
一方で高齢化も進んでおり、60歳以上の人が増加しているのが特徴です。
クアラルンプールの人口
一方で、クアラルンプール首都圏(グレーター・クアラルンプールやクランバレー=Klang Valleyとも呼ばれます)には、2024年時点で約880万人の人が住んでいます。
この首都圏の人口は、マレーシア全体の約4割を占めていて、国の経済の中心地としてどんどん成長しており、2030年にはこの地域の人口が約980万人に増えると予想されています。
クアラルンプール市の広さは243平方キロメートルで、これは東京23区の約40%くらいの大きさです。この小さなエリアに多くの人が集まっているので、人口密度がとても高い都市です。
マレーシア人の平均寿命
マレーシアの平均寿命は、2023年時点で74.8歳とされており、女性の平均寿命は男性より約4.9歳長いです。また民族別にも違いが見られます。
全体 | マレー系 | 華人系 | インド系 | |
男性 | 72.5歳 | 71.5歳 | 74.4歳 | 67.6歳 |
女性 | 77.4歳 | 76.4歳 | 80.2歳 | 75.9歳 |
マレーシア人の民族構成
マレーシアは多民族国家であり、2023年のマレーシア統計局のデータによりますと主要な民族の比率は以下のように推計されています。
• マレー系: 約70%(先住民12%を含む)
• 中華系: 約23%
• インド系: 約7%
マレーシア政府は、マレー系およびその他の先住民族を「ブミプトラ(Bumiputera)」と総称し、経済的な地位向上を目的とした優遇政策を実施しています。
一方、中華系やインド系のコミュニティも、経済や文化の分野で重要な役割を果たしています。
各民族は独自の文化や伝統を維持しつつ、マレーシア社会の多様性と調和を象徴しています。
マレーシアの言語
マレーシアは多民族国家であるため、言語も多様です。ここでは、マレーシアで使用されている主な言語について説明します。
公用語
マレー語(Bahasa Melayu)
マレーシアの公用語であり、政府の公式文書、教育、公的な場で使用されます。ローマ字表記(ラテン文字)を使用し、アルファベットは「Rumi」と呼ばれます。一部の宗教的文脈ではアラビア文字も使用されます。
その他の主要言語
中国語系の言語
広東語、福建語、客家語、潮州語など中華系住民が日常的に使用する言語で、地域や家族の背景によって異なります。
広東語はクアラルンプールやペナン州で特に多く使用されます。
インド系の言語
タミル語は主に南インドから移住したタミル系住民が話します。その他に、テルグ語やマラヤーラム語も一部で話されています。インドには多数の言語がありますが、マレーシアでのインド系住民の大多数がタミル語を使用しています。
英語
英語は準公用語的な位置づけで、ビジネス、教育、観光など幅広い分野で使用されます。特に都市部では、英語が日常的なコミュニケーションの手段として利用されています。クアラルンプールでは、出身地が異なる民族や、外国人など多種多様な人がいますので、英語が使われることが多いです。マレーシアの英語は「マングリッシュ(Manglish)」と呼ばれる独特の言い回しやイントネーションが特徴で、最初は聞き取りが難しかったりしますが、簡素化されている面もありますので、馴れてくれば話しやすいかもしれません。
その他の先住民族の言語
サラワク州やサバ州では、一部の民族でイバン語、カダザン語、ダヤク語など、先住民族固有の言語が話されていて、主に家庭や地域社会で使われています。
言語の学習と教育
マレーシアの公立学校では、マレー語が主な授業言語ですが、英語も主要科目として教えられています。中華系やインド系の民族学校も存在しており、それぞれの民族学校では、それぞれの母語(中国語やタミル語)も教えられます。
マレーシアの主要な宗教
マレーシアは多民族・多文化国家であり、宗教も多様性に富んでいます。マレーシアの国教はイスラム教ですが、他の宗教にも寛容です。マレーシアで主要な宗教とその特徴を紹介します。
イスラム教(Islam)
信者の割合: 約63.5%(2023年時点)
- マレーシアの国教であり、主にマレー系住民が信仰しています。
- 国の憲法では、マレー人はイスラム教徒であると規定されています。
- モスクが各地にあり、イスラム教の祈り(サラート)が日常生活の一部となっています。
- 断食月であるラマダンやハリラヤ(イード)などの宗教行事が盛んです。
仏教(Buddhism)
信者の割合: 約19.8%
- 主に中華系住民が信仰している宗教です。
- 中国仏教(大乗仏教)が多いですが、一部では上座部仏教も見られます。
- ペナン州やクアラルンプールでは、多くの仏教寺院が存在します。
キリスト教(Christianity)
信者の割合: 約9.2%
- サバ州やサラワク州を中心に、先住民族の間で広く信仰されています。
- カトリック、プロテスタント、福音派などの多様な宗派が存在します。
- 教会が全国に点在し、クリスマスが祝祭日として全国的に祝われます。
ヒンドゥー教(Hinduism)
信者の割合: 約6.3%
- 主にインド系住民によって信仰されています。
- クアラルンプールのバトゥ洞窟など、ヒンドゥー教の寺院が観光地としても有名です。
- ヒンドゥー教の祭りである「タイプーサム」では、多くの信者が参加する行列が行われます。
中国伝統宗教(儒教、道教など)
信者の割合: 約1.3%
- 中華系住民が儒教や道教、祖先崇拝を実践しています。
- クアラルンプールやペナンには多くの中国寺院があります。
その他の宗教
- サバ州とサラワク州では、先住民族がアニミズムや伝統的な信仰を持つこともあります。
- 無宗教や特定の宗教に属さない人も一部存在します。
マレーシアの祝祭日にはイスラム教のハリラヤ、中国正月、ヒンドゥー教のディーパバリ、クリスマスなど、各宗教の祭りが含まれており、宗教間の調和を保つため、多文化共生を重視した政策が取られています。
イスラム教、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教といった宗教が共存する多宗教国家です。これらの宗教は、それぞれの民族コミュニティと深く結びついており、マレーシアの文化や日常生活に大きな影響を与えています。宗教は、マレーシア社会の文化や伝統、法制度に深く根付いています。
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