2025年5月16日、マレーシア陸運局(JPJ)は、外国の運転免許証をマレーシアの運転免許に切り替える制度(コンバージョン)を5月19日から原則として廃止すると発表しました。これにより、多くの外国人が利用していた「母国の運転免許からマレーシアの運転免許への書き換え」ができなくなります。この記事では、その内容と影響を考えてみました。
JPJ(マレーシア陸運局)発表内容
2025年5月16日に、JPJのDatuk Aedy Fadly Ramli氏発表の内容が以下の記事にあります。
それによりますと、道路交通局(JPJ)は本日、マレーシア政府がマレーシアの道路交通規制や安全基準への準拠を確保することを目的として道路安全対策を強化する中で、2025年5月19日をもって外国運転免許証からの書き換え制度を終了すると発表しました。
「これにより、今後は外国人もマレーシア人と同じプロセスに従って運転免許証を取得する必要があります」と彼は声明で述べています。
ただし、この措置にはいくつかの例外があります。対象となるのは:
- Diplomatic corps(外交に関する人、外交官パスポート保持者が対象か?)
- マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムの参加者
- 外国の運転免許証を所持していたマレーシア国民
マレーシアに12か月未満の短期間滞在する外国人についても、一定の条件下で引き続き運転が可能とのことです。
1949年の道路交通に関するジュネーブ条約や1968年のウィーン条約の締約国の人は、自国で発行された有効な国際運転免許証(IDP)を提示すれば、マレーシア国内で運転できます。
加えて、ASEAN加盟国の市民については、1985年のASEAN相互認証協定に基づき、自国の有効な運転免許証でマレーシア国内を運転することができます。
具体的にどう変わるの?
2025年5月19日以降、次のような変更が行われます。
原則としてすべての外国免許の切り替えを停止
多くの国の免許証は、これまで自国の発行機関が有効であることを証明すれば、マレーシアの免許に切り替えが可能でした。これが原則として廃止されます。
日本人への影響は?
マレーシアに長期滞在している人
これまで、日本の運転免許証を持っていれば、マレーシアの免許に試験を受けることなく、書類の提出だけで切り替えが可能でした。それが原則としてできなくなると、マレーシアで車を運転するには新たに試験を受ける必要が出てきます。
国際運転免許証を使っている人
マレーシアは国際運転免許証(ジュネーブ条約加盟国)を認めており、最長で90日間の運転が可能です。ただし、それを超えて運転するには現地の免許が必要です。長期滞在の方には実質的な影響が大きいでしょう。
すでにマレーシア免許を取得済みの人
今回の変更は「新規の切り替え申請」に対するものであり、すでにマレーシア免許を持っている方には影響ありません。
今後、どうすれば運転できる?
国際免許証を持参して運転する
90日以内の短期滞在の場合はこの方法で問題ありません。
JPJ指定の運転学校に通う
長期滞在の場合、新たに運転免許を取得するには「マレーシアの自動車運転教習所」に通って、試験を受けて取得する必要があります。
- 学科講習(英語またはマレー語)
- 試験(交通法規や標識)
- 実技試験
これらのステップをすべてクリアする必要があります。
どんな人が特に注意すべき?
- 駐在員として新たに赴任する日本人
- 国際結婚などでマレーシアに移住する人
- 就職や長期留学を予定している人
これらの方々は、これまで通りの方法で簡単に車に乗れない可能性があるため、来馬前にしっかり準備が必要です。
マレーシアでの生活において、車はとても便利な移動手段です。今後は免許取得に手間がかかることを念頭に、事前準備と最新情報のチェックがますます重要になります。
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