マレーシアのクアラルンプール国際空港(KLIA)は、東南アジアでも特に利用者が多い空港のひとつです。
クアラルンプール国際空港(KLIA)は、「エアロトレイン」と呼ばれる自動運転のシャトルトレインが走っており、メインターミナルとサテライトターミナルをつないでいます。
しかし、しばらくのあいだエアロトレインは運行を休止していて、サテライトターミナルまではバスで移動することになっていました。
それがいよいよ、2025年中に再始動する予定となり、クアラルンプール国際空港(KLIA)を利用する旅行者にとってうれしいニュースとなっています。
この記事では、エアロトレインがどんな乗り物なのか、なぜ止まっていたのか、そして現在どこまで準備が進んでいるのかについて書きました。
エアロトレインとは?
KLIAのエアロトレインは、空港内のメインターミナル(Main Terminal)とサテライトターミナル(Satellite Terminal)を行き来する、短距離の自動運転列車です。一般的な電車とは違い、空港の利用者しか乗れないようになっており、乗車料金もかかりません。
エアロトレインの特徴は以下のとおりです:
- 運行距離:約1.2km
- 所要時間:約2.5〜3分
- 運行間隔:3〜5分ごと
- 運賃:無料(空港内移動専用)
飛行機の乗り継ぎをする人が、長い距離を歩かずに快適に移動できるようにするための交通手段です。
なぜエアロトレインは運休していたのか
エアロトレインは、1998年にKLIAの開業とともに導入されました。当時としては最新の技術で、空港内をスムーズに移動できると評判でした。
ところが2023年3月、突如として運行が停止されました。その理由は、車両やシステムの老朽化と言われています。運行開始から20年以上が経過し、部品の摩耗や技術の古さが目立つようになっていました。
さらに、安全性の面でも不安が出てきたため、空港の運営会社であるマレーシア空港公社(Malaysia Airports Holdings Berhad:MAHB)は、思い切ってエアロトレインの全面的な入れ替えを決定したのです。
新しいエアロトレインはどう変わる?
新しいエアロトレインは、フランスの鉄道メーカー「アルストム(Alstom)」が製造する「Innovia APM 300R」という車両です。このモデルは、シンガポールや香港の空港でも使われていて、信頼性の高い乗り物として知られています。
新型車両の特徴は以下のとおりです:
- 定員:約270人(旧型は約230人)
- 最高時速:約56km
- 全車両バリアフリー対応(車いす、ベビーカーも安心)
- 静かで揺れが少なく、乗り心地が向上
- 自動運転での高い安全性
車両だけでなく、駅の設備や線路、制御システムも新しくなっており、よりスムーズで正確な運行が期待されています。
現在の進捗状況は?
2025年6月時点での最新情報によると、次のような状況です:
- 設備の設置:完了
- 試運転:実施中
- 安全性の検査:最終段階
- 政府の認可:申請中(まもなく完了予定)
- メディア向け試乗:6月中に予定
- 一般利用者への運行再開:2025年第2四半期(6月頃が有力)
つまり、運行再開まで「あと一歩」というところまで来ているのです。
どうやって乗るの?どこへ行けるの?
新しいエアロトレインは、基本的に「Main Terminal」と「Satellite Terminal」を行き来するだけです。たとえば、国際線に乗る場合は出国審査後にサテライトターミナルへ移動する必要があるので、そのときに利用します。
注意点として、KLIA Terminal2(旧KLIA2)へは、エアロトレインでは移動できません。KLIA Terminal2(旧KLIA2)へは今まで通り、KLIAエクスプレスや空港シャトルバス、タクシーなどを使って移動する必要があります。
エアロトレインは、KLIAのなかでとても重要な存在です。
これまで何千万人という旅行者が利用してきたエアロトレインは、止まっていた間も、多くの人が「いつ再開するの?」と気にしていました。
2025年の中ごろ、新しい技術で、安全性も快適さもパワーアップしたエアロトレインが空港を訪れるすべての人に、より便利な体験を提供してくれることに期待しています。
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